NTT暗号アーカイブ一覧

ESIGN紹介

ESIGN (Efficient digital SIGNature)は、日本国内で初めて1990年にNTTが開発した素因数分解問題に基づいた電子署名方式です。従来の方式に比べて処理時間(特に署名生成時間)の大幅な短縮を実現しており、専用コプロセッサを装備しないICカードなどへの搭載も可能です。国際標準化機関ISO/IEC14888-2で規格化されているほか、米国電気電子学会IEEEの公開鍵暗号標準規格P1363aで採用されています。

また、デジタル署名の安全性に関する研究が進展した結果、ハッシュ関数の出力がランダムであるという仮定とp2q型素因数分解問題が解読困難であるという仮定のもとで署名の安全性を厳密に評価することができる、ESIGN-TSHを1998年に開発しました。

NTTは、国内外の様々な製品やサービスに広く利用できる環境づくりに貢献し、暗号技術の普及・促進により、低コストで安全な高度情報流通社会の実現に向けて主導的役割を果たすため、 相互主義の下、ESIGNの基本特許の無償化を実施しております。

標準化情報等

ESIGNの標準化情報

仕様書

ESIGN-TSHの仕様書
[日本語] nttdoc-esigntsh-jp.pdf (2002-05-23, Draft 1.0, 140KB)

参考文献リスト

ESIGNの学会発表状況

基本特許無償公開(知的財産権情報)に関する情報

FEAL紹介

FEAL (Fast data Encipherment ALgorithm)は、日本国内で初めて1987年にNTTが開発した64ビットブロック暗号です。ICカード等の8ビットマイクロプロセッサ上のソフトウェア向きに設計された暗号アルゴリズムであり、最初に開発したFEAL-8は、DESよりも高速であるなどの長所を有していました。また、暗号の黎明期に開発されたアルゴリズムであったため、その後の暗号研究の発展に大きく寄与しました。

1990年には、FEAL-8をベースに安全性を高めたFEAL-N/NXを開発しました(N:段数、Nは鍵長64ビット、NXは鍵長128ビット)。 現在利用されているものはFEAL-32Xです。

[注意] NTTは、安全性と処理効率の観点から、セキュリティ製品に対しては Camellia を使用するよう強く推奨します。

標準化情報等

FEALの標準化情報等

仕様書

FEALの仕様書

参考文献リスト

FEALの学会発表状況

ECAO紹介

ECAO(Elliptic Curve Abe-Okamoto signature)は、1999年にNTTが開発した、安全性の高さが数学的に証明された楕円曲線上の離散対数問題ベースのメッセージ回復型デジタル署名です。ハッシュ関数の出力がランダムであるという仮定と楕円曲線上の離散対数問題が解読困難であるという仮定のもとで署名の安全性を厳密に評価することができます。

国際標準化機関ISO/IEC15946-4で規格化されています。

E2紹介

E2 (Efficient Encryption algorithm)は、日本国内で初めて1998年にNTTが開発した128ビットブロック暗号です。Triple DESよりも安全かつ効率的な暗号アルゴリズムとして開発され、当時の128ビットブロックとしては世界有数のソフトウェア処理性能を有していました。

E2は、1997年から始まっていた米国政府標準暗号AESを選定するためのプロジェクトに、日本から唯一応募し、世界中からの暗号研究者らによって詳細かつ徹底的な安全性評価や処理性能評価を受けました。その結果、非常に高い安全性を持つよう設計されていることなど、設計方針や安全性評価手法等については高く評価されました。
ただ、残念ながら、安全性を非常に高めに設計した分、処理性能や実装多様性の面で、現在の米国政府標準暗号AES(当時はRijndaelという名称)よりも劣ると判定される結果となりました。

世界的にも認められたE2の設計方針や安全性評価手法については踏襲する一方、処理性能や実装多様性の面での指摘を受け止める形で、2000年に設計されたブロック暗号がCamelliaです。

EPOC紹介

EPOC (Efficient Probabilistic public-key encryption)は、1998年にNTTが開発した、安全性の高さが数学的に証明された日本国内初の素因数分解問題ベースの公開鍵暗号です。
EPOCでは、ハッシュ関数の出力がランダムであるという仮定と素因数分解問題が解読困難であるという仮定のもとで暗号の安全性を厳密に評価することができ、かつ高い実用性を有しています。米国電気電子学会IEEEの公開鍵・認証方式の標準規格P1363aに採用されています。

NTTは、国内外の様々な製品やサービスに広く利用できる環境づくりに貢献し、暗号技術の普及・促進により、低コストで安全な高度情報流通社会の実現に向けて主導的役割を果たすため、相互主義の下、EPOCの基本特許の無償公開を実施しております。詳細については、NTT知的財産センタにお問い合わせください。

標準化情報等

年号 標準化団体等 標準化内容等
2002年 IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)
米国電気電子学会
IEEE P1363aにおける暗号アルゴリズムとして選定されました。

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